文化・景観

富士見町に降る雪は2種類。「暖かい雪」と「冷たい雪」

富士見町に降る雪は2種類。「暖かい雪」と「冷たい雪」

よく子供に「富士見町には2種類の雪があるんだよ~」と話してきたのですが、今回はこのお話。

富士見町に降る雪には2種類あります。
その2つとは、「暖かい雪」「冷たい雪」

富士見町では、天気予報に雪マークがついていても、どっちの雪になるのかによって心構えが全然違ってくるんですよ♪

冷たい雪

 

「冷たい雪」とはいうのは、冬型の気圧配置(西高東低の気圧配置)が強まることによって降ってくる雪です。
ここ富士見町の冬は、富士見パノラマスキー場が「晴天率85%」とうたっているように、冬は「晴れ!&寒い!」というのが定番。
(なので、「寒天づくり」や「スピードスケート」が盛んだったんです♪)

ですが冬型が強まると、中央アルプスや北アルプスにとどまっていた雪雲が富士見町の方にもやってきて、冷たい北風と一緒に雪が降ります。
冷たい北風と一緒に雪が降るので、「冷たい雪」なんです♪ d(^_^)
※私が勝手に命名しています…

 こういう天気図の時ですね!

西高東低の天気図.png
気象庁, CC 表示 4.0, リンクによる

 

「冷たい雪」の特徴はこんな感じ

  • 寒い寒い北風と一緒に雪が降る
  • 気温が下がる
  • 雪は粉雪のような小さい結晶
  • 雪が積もっても数センチ
    (そり遊びには少ない… でも雪かきしなくてもいい♪)
  • 粉雪なので、雪だるまや雪合戦には向かない…
  • (通常の冬型に戻るだけなので)雪が止んでもしばらくは寒い…
  • (冬型絶好調の)冬の前半~中盤にかけて降ることが多い

 

ちょうどこんな感じの雪です。

 冷たい雪

 

朝起きて真っ白な景色に、子どもは「うわ~雪だ~♪」と一瞬夜こぶのですが、積もっていなかったり、雪遊びができない雪だと知るとちょっとがっかりします…(^^; 逆に大人は、雪かきしなくていいことに安心します(笑)

 

暖かい雪

 

さて、もう一方の「暖かい雪」は、 冷たい雪とは全然違う気圧配置によって降ってくる雪です。

特に、冬の終わりから春先の2~3月にかけて関東南部を南岸低気圧が通過することによって降る雪で、天気図でいうとこんな感じです。
冬型が弱まって春に近づくと見られる形ですね。 

南岸低気圧
気象庁, CC 表示 4.0, リンクによる

 

南岸低気圧が通過すると関東は雨になるのですが、富士見町は寒いので、その時に雪が降るという形。

どうして「暖かい雪」と(私が)呼んでいるのかというと、南風が吹くので富士見町でも暖かくなるからです♪
気温は暖かくなりますが、ドカンッ!と雪が降る、これか「暖かい雪」の特徴です。

 

「暖かい雪」の特徴はこんな感じ

  • 暖かい南風と一緒に雪が降る
  • 気温が上がる(暖かい♪)
  • 雪は「ボタ雪」で大きな結晶
  • 雪が積もる
    (通常は10~30センチ。時に40~60センチの時も)
  • 水分が多い雪が積もるので、雪だるまや雪合戦に最適♪
  • 雪が止むと、晴れて暖かい。
    (その日差しで道路の雪が1日で溶けることもあります)
  • 冬の後半にかけて降ることが多い

 

雪が降った後に晴れるので、このような景色が広がります。

 20210111 003

 

朝起きて真っ白な景色に、子どもは大喜びになる雪です。
逆に大人は、庭や道路の雪かきが必要になるのでちょっと憂鬱です(笑)。
我が家の場合、車が幹線道路に出れらるように 50メートル雪かきをしないといけないので、40センチも降ると2時間ぐらい雪かきになります…(^^;

 

暖かい雪が降った時は、小学校では通常の授業は中止で、もちろんみんなで雪遊び♪
そり遊びをしたり、かまくらを作ったり、雪合戦したり。それはそれは楽しい一日です。

 暖かい雪

 

 「暖かい雪」も降りすぎると困ったことになる…

 

暖かくなるし、子どもは雪遊びできるしと、うれしい「暖かい雪」ですが、これが降りすぎると困ったことになります。
いつもは20センチぐらい、降ったなぁ~とという時でも40センチぐらいというのがほとんどのケースなのですが、
2014年2月にはとんでもない積雪になりました。

その積雪、120cm...

朝起きて、玄関のドアを開けたら、何もないはずの庭に 120cm の雪の壁が永遠に続く…という。

こういう景色です...

2014年2月にはとんでもない積雪になりました

イメージとしては… 25m プールに入ると胸くらいまで水につかって歩きづらいですよね。
それが全部、水ではなくて雪になった状態をイメージしてもらうといいかと思います。

 

庭に停めていた車もこんな状態。
いつもの40センチぐらいの積雪だったら、車の上の雪を落として…と雪かきをするのですが、
今回は雪を落とすというよりも、雪の中から車を掘りだすという作業。

掘ったとはいえ、その雪を置く場所もないので1メートルの雪の壁の上に積み上げていくしかありません。
車を掘り出したとしても、今度は車が動けるように、庭も道路も掘り出さないといけない..

 2014年2月にはとんでもない積雪になりました

 

雪を掘っては積み上げ、庭のスペースを広げていきます。
この先、道路までこの作業をしていかないと家から出られません…(^^;

 

結局、隣の家の人と一緒に機械も駆使しながら道路まで出られたのは2日後でした(笑)

 「暖かい雪」も降りすぎると困ったことになる…

 

やっと家から出られる~! と思ったのも束の間、幹線道路のこの景色を見て呆然..

この道路、道幅も広い県道なのですが、道幅は車1台分ですし、この状態だと相当強い車でないと通行は無理… 

「暖かい雪」も降りすぎると困ったことになる…

 

ということで、結局、大雪の影響で5日間、家から出られずじまいでした。
幸い、我が家は停電はしていませんでしたし、食料や灯油もたくさんありましたので問題なく過ごせましたが、 
想定外の大雪の影響で、富士見町中が身動きとれなくなってしまったばかりでなく、中央道も数日通行止め、鉄道も運休、国道では雪による立ち往生が発生して国道の地域の人による炊き出しなどが行われたりと大きな被害になりました。

この時は富士見町以外でも、東京で27cm、八王子で60cm、甲府で114cmの積雪でした。

2014年は、想定外の「暖かい雪」でとても苦労した記憶があります。

 

富士見町に降る雪は2種類。
「暖かい雪」と「冷たい雪」、ぜひ覚えてくださいね♪d(^_^)

 

(Written by 雨宮伊織)

 

 

2009年、家族とともに富士見町にUターン。地方のネット活用サポートが本業。