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信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

先日の長野日報の記事で「青い鳥」の再放送があるのを知りました。

http://www.nagano-np.co.jp/articles/104640
2023年1月27日

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

記事によると

「豊川悦司さん主演のテレビドラマ「青い鳥」(1997年放送)で、「清澄駅」として撮影に使われた富士見町境のJR信濃境駅にある掲示板に今月、「きよすみ駅長」からのメッセージが突然掲出され、ちょっとした話題になっている。年明けからBS-TBSで再放送されており、ファンの再来訪や令和の「聖地巡礼」を呼び掛ける内容だ。」

1997年放送なので、もう26年も前の話になるんですね。
当時、何やらご近所さんたちが「トヨエツが来てるー――!?」と騒いでいたのを覚えています。
有名な俳優さんが来ているとは知っていましたが、何のことやらまったく興味がなく、ドラマ「青い鳥」も見たことがありません。
今思うと、後ろの方から写真の一枚でも撮っておけばよかったー――💦

でも、青い鳥の人気は長く続きました。
ドラマの配信が終わっても、舞台となった信濃境駅を訪れる人がたくさんいました。
私は当時、信濃境駅前の喫茶店でろうあなど障害を持った人たちと働いていたのですが、時々その巡礼者たちが顔を見せてくれました。
そんな方々は、遠くからはるばるドラマの「清澄駅」に来れて、本当にうれしそうで、
私は、と言えば、そんな駅の近くに住んでいる事を自慢にさえ語りました。(ドラマを見てもいないのに!?)

元JR職員で当時シルバーとして駅の管理をしていた地元のKさんが、訪れた人たちのために「青い鳥を探して」と題したノートを置いてくれました。駅を訪れた皆さんが、それぞれの想いを綴っていました。
ところが、残念なことにそのノートは何度か盗難にあっています。
最後に数冊残っていたあのノートは一体どうなったんでしょうか・・・???
気になって、知っていそうな人に所在を聞きまくりました(^^)v

ありました!!!

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

最新版はなんと19冊目でした。ただ、残っているのは4冊だけです。
ペラペラー――っとめくってみました。
「家を出てきてしまったけど、これからどうしよう・・・」と、不安になる内容から
ドラマを見て感激して訪れた人、好きな人と一緒に訪れたりと、まさにそれぞれの人のドラマが綴られています。中には訪れるのが30回目だという人もいました。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

力作の絵もいくつかありました。
みなさんが「青い鳥」のドラマに関する思いだけではなく、その時の悩みや思い出を文や絵で残しています。ページをめくっていると、この駅で過ごした時間を共有しているようなあたたかな気持になりました。
一緒にノートを探していた長野日報の記者さんが、Kさんが2006年に「青い鳥のその後」という随想を投稿していた、と知らせてくれました。
神奈川県のあるファンから、結婚式に祝電を送って欲しいという手紙が届いたエピソードから綴られていました。素敵な話なので、一部を転記させていただきますね。

 

彼からは三年ほど前にも依頼の手紙をもらったことがありました。その時は「明日10時半頃信濃境駅に彼女を連れて行きます。つきましては彼女に渡す手紙を鳥篭の中に入れて置いて下さい。」こんな依頼事は初めてだったし、この光景を冊子の表紙に使おうと思いカメラマンを頼んで待っていましたが時間には来ませんでした。
後日彼からお礼の手紙と二人の写真が同封されていました。また彼女からは「清澄駅」に行けば何かがあると予想はしていたが鳥篭の中に私宛の手紙が入っていたのは吃驚(きつきよう)し感激しました。それよりもつと嬉しかったのはこの手紙を入れてくれた小池さんの優しいお手伝いでした。

(2006年10月28日(土) 長野日報 随想 青い鳥のその後  小池 一市)一部

 

 ドラマになりそうな話ですよね。
このお二人の結婚披露宴には清澄駅の駅長さんから祝電とプレゼントが届いて、最高に盛り上がったそうです。

ドラマの撮影現場となったことで、この駅を廻ってその後もいろいろなドラマがあったようです。
一部はノートにも綴られていたのでしょう。
ただ、残念なことに残っているものはわずか4冊です。
19冊目の最後は2023年1月に訪れた方の「青い鳥」の再放送があります、という記述です。

「信濃境駅に来て、ぜひのぞいてみてください。」と、大きな声で言いたい反面、大切なノートをまた持っていかれてしまったらどうしよう、という心配もあります。
15年前に書いたノートを見に来たけれど無くなってしまったという人もいました。思い出を大切な人と読み直しかったようです。15年後に今後こそ一緒に読めることを願ってます、と書かれていました。
どれだけの人がノートに記述なさったのか、今となってはわかりません。
残念です。

いつか気が付いたら、「なくなっていたノートが戻って来ていた!」って事になったらいいなあ・・・

 

さて、話は信濃境駅に映ります。
ホームには、青い鳥の籠も下がっています。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

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なんと! ホントに青い鳥がいました❤
どなたが作ってくれたんでしょうか。

なぞの駅長からのメッセージ

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青い鳥
2023年1月より、再放送
日曜日の毎週23時より、BS6チャンネルで放送
私は、青い鳥のテレビドラマについては、知りませんでした。
信濃境駅の鳥かごと、表示板は電車から見て知っていましたが、内容まで知りませんでした。2023年1月8日(日)の夜中にテレビを付けたら、信濃境駅とJR社員姿の豊川君が出て来てびっくりしました。私のようにテレビを見忘れた人は、是非に見てください。
青い鳥の聖地巡礼で、信濃境駅にも来てください。
特急の止まらない駅ですが、
何もない信濃境駅と周りですが、空気とお水がおいしところです。
夜になると満天の星空が見られますよ★★★★★★★★★★

富士見町  きよすみ駅長

 

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

駅長のメッセージにもあるように、信濃境駅には特急が止まりません。
写真を撮ろうと思って構えていましたが、一瞬で通り過ぎて、ホームの粉雪を巻き上げて煙の中に姿を消しました💦

特急列車は止まりませんが、地元の有志が地域の魅力をを知ってもらおうといろいろと工夫しています。

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ホーム側にある展示ケースには、縄文土器を作っている有志などが自作を土器を飾っています。
地元の土と砂で作った粘土に拘って、富士見町の遺跡から出土した土器を作り展示しています。
また、わかりやすく説明をパネルに作ってくれた有志もいます。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

富士見町内で発掘された数々の土器の中でも、この写真の真ん中の土器は私のお気に入りの一つです。
縄文土器とはいえ縄文らしからぬ、この美しい曲線どうですか!?
ぜひ、見に来てくださいね。(実物は考古館にありますが、いつも展示されているわけではありません)

待合室に入って上に目を向けていただくと、井戸尻考古館関連の写真が展示してあります。
この写真たち、かなり古くなっていたものを、井戸尻応援団が2018年1月に長野県の元気づくり支援金を利用して一新したものです。

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史跡公園の四季折々の写真

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発掘された土器や土偶。
地元の人々の発掘作業の様子

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

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このポスターは、考古館が作成したものですが素敵ですよね。
文字通り、「5千年前まで、徒歩15分」
行くときは下り、帰りはずっと登り道です。
八ヶ岳、富士山、甲斐駒、段々畑、澄んだ空に白い雲。
ちょっときつい坂ですがゆっくり歩いて、四季折々の景色を楽しむのも豊かな時間です。

駅の待合室には、青い鳥の撮影風景などが展示されています。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

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う~ん、カッコイイ❤
今後は私も再放送を見て見ようかな。

 

地元・境小学校の俳句も展示されています。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

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これもずいぶん歴史が古く、地元のおじちゃんが境小学校に指導に行っていて、その成果を発表していたのがきっかけだったと記憶しています。
子供たちのまっすぐな言葉に、はっとさせられたり思わず笑っちゃうこともあります。

帰りがけ
「あれ!? 何やら怪しいおじさんが・・・・???」
何をしているのかしら、と思ったら

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

駅前には、富士見町の図書館の返却ボックスが設置されていました。
ここに返却しておくと、定期的に本を回収に来てくれているそうです。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

地元に住んでいるのに、こんなサービスがあるのも知りませんでした!

信濃境駅
東京から来ると、信州への最初の駅になります。
お隣山梨県の小淵沢駅からは普通列車でわずか4分、長野県への玄関です。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

今は無人駅ですが地元のみなさんの愛を感じる駅です。
時にはのんびりと普通列車に乗って、信濃境駅に降りてみませんか?

と、このあたりで終わりにしようと思っていたところ、ノートを探していた時に声をかけていた知人から連絡がありました。
「青い鳥を探して」が始まった当時のノートを、ワープロで起こし書き写して冊子にしている人がいました! これをコピーして、駅を訪れた人に記念に配っていたそうです。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

その後、信濃境周辺のみなさんの協力を得て、下の写真の冊子を作り上げたとのこと。
この冊子、中の写真もうつくしくレイアウトもめっちゃ素敵です。
残念ながら、もう手に入らないそうですがこうして信濃境駅の歴史を残しておいてくださったのは本当に感謝です。遠くから訪れてくださった一人ひとりの想いを大切に残しておいてくださったんですね。

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

信濃境駅って、実はめっちゃすごいんです!!

冊子作製を手掛けた小林一久さんが冊子に寄せて書かれている文章が、とってもすてきです。
許可を頂けましたので、以下に紹介させていただきます。

1997年にTBS系列で放映されたテレビドラマ「青い鳥」。ここ信濃境駅を中心に富士見町一帯で長期にわたってロケが行われ、一般の見学者の方々が多数来町されました。更に放送終了後もこの地を訪れる人々が絶えず、「青い鳥」の聖地『清澄』として5年目の夏を迎えています。その間も日本全国のローカル放送局でこのドラマが再放送され、それらを初めて見た方々がまた、ここを探し求めてやってきています。 そんな中、いつの頃からか信濃境駅には「青い鳥探して」と名付けられたノートが置かれる様になりました。日本全国から訪れる青い鳥ファンの方々が、架空の街「清澄」をここ富士見町に重ね合わせて、ドラマに対する熱い想いを綴っています。 昨年秋、遠くから見学に訪れる方々に、少しでも記念に残る物をと、このノートをワープロで起こして、コピーによる冊子を作成しました。その結果、皆さんに大変喜んでいただき、現在までに300冊近くが全国の方々の手に渡っています。ノートが書き加えられる度に少しづつページを増やし、コピーし、手作業で製本してきましたが、このたび信濃境駅周辺の方々のご協力により、このような形でまとめることが出来ました。心から感謝申し上げます。 また、冊子中で使用している全ての写真は、富士見高原ペンション·ラクーンの荒井さん撮影のものを、ご好意により掲載させていただきました。ここにあらためてお礼申し上げます。 この冊子がここ、富士見町を訪れる方々のよき記念品になる事を願っています。

小林 2001.8.20

 

青い鳥のドラマの再放送から、信濃境の再発見がたくさんありました。
駅を支えてきた地元の人、そして駅に降り立ち想いを巡らせていった人たち。
開駅は1928年(昭和3年)11月1日、95年間の歴史に一緒に想いを馳せませんか?

今回も最終的には「やっぱり人が宝だな」と感じたのでした。

 

(Written by エンジェル千代子)

ルバーブ生産組合や井戸尻応援団をはじめ、様々な団体で富士見町の活性化のために活動中