「お盆」。東京で暮らしている時には夏の休暇の一つでしかありませんでしたが、こちら富士見町では、お盆は一つの大きな節目&イベント。先祖代々続くお墓にお墓参りをしたり、色々なところに出ている家族が戻ってきたり、そして各地区ごとに盆踊りが催されたり。
新しい時代の流れと古くから続く風習とが混じり合い、そして、昔懐かしい顔を見て笑顔にもなる、そんな不思議な期間です。
さて、我が家でも、子供と一緒に地区の盆踊りに参加してきました。
金魚すくいや、ボンボン釣り、輪投げや、色々なおやつのお店が並び、花火も配られて、子供は大喜びでした。
これらの盆踊り会場やお店は、全部、地元地区の若い方々がずっと前から準備してくださっています。本当に頭が下がります。
ところ変わって、我が家のおじいちゃんの家では、15日の夜、おじいちゃんが子供たちに、ナスとキュウリで作った牛や馬のお供え物にそうめんを乗せるところを見せてくれました。
お盆になると仏壇に、キュウリとナスでできた馬と牛がお供えされますが、お墓参りの前日の夜、このようにそうめんを背中に乗せるのです。
「この前、これに乗って来たから、今度はこれに乗って帰るんだよ。たくさんのごちそうが落ちないようにこうやってそうめんで紐をつけてあげるんだ。」という説明に、子供も興味深々。一緒になって、そうめんを背中に乗せてあげました。
そして、翌朝、家族みんなでお墓参りに行ってきました。
こうやって伝わる風習とその意味。
自分が子供の頃には全然気にしたことはなかったですが、大人になり、親になってみると、なるほどなぁ…と思うことが多々ありました。
そんなお盆が終わると、富士見町は一気に秋めいてきます。
(written by 雨宮伊織)